まとめ
GDP : Gross Domestic Product(国内総生産)
国家の経済規模を測る指標で、絶対値から経済規模が、推移から好景気/不景気が見えてくる。より正確に比較したいなら実質GDPを、豊かさを知りたいなら、一人あたりGDPを参照する。
国家の経済規模
国内で生産された付加価値の総額。通常1年間や四半期(=3ヶ月)の期間で語られる。絶対値から各国の経済規模が見えてくる。
注意点:海外子会社の活動は含まれない
例えば米国に子会社を持つ日系企業が、日本での業績はイマイチだけど、米国では絶好調だったと想定する。この場合、日本のGDPはイマイチだが米国のGDPは絶好調である可能性が高い。あくまで「本籍がどこか」ではなく、「活動した場所」で区切られる。
経済成長率から好景気/不景気を測る
一般的には、こちらの使われ方が多い。みんな金額覚えてないから。
また前回から今回の成長率を計算することで、景気を測ることができる。プラス成長なら好景気、マイナス成長なら不景気。
額面上の名目GDP、比較用の実質GDP
GDPにも名目と実質がある。考え方は他の「名目/実質」と同じ。
・名目GDP:とにかく金額ベース総額
・実質GDP:物価上昇率を差し引いた数値
経済活動が拡大していなくても、物価上昇(インフレ)が起こっている場合は、名目GDPは拡大してしまう。名目GDPでは、昨年と今年の金額が同じならば、昨年の方が景気が活発だったことになる。国家間比較でも、インフレ上昇率が高い方が名目GDPは高くなりやすい。
実質GDPにすることで、時系列や国家間の比較が厳密に近づく。
裕福さを知りたいなら、一人あたりGDP
仮に貧しくても、人数が膨大だとGDPは大きくなりやすい。しかし、それは豊かな国と言えるのか?
そんな時に一人あたりGDPを見れば、裕福さ、つまり経済成熟度を測ることができる。
内閣府の資料を見てみると、日本の名目GDPは世界で3位(最近は円安影響でドル換算が小さくなり、ドイツに抜かれて4位)。インドが5位。
出典:内閣府
一人あたりGDPで比較すると日本は21位。インドは10分の1以下のランク外。このように総額と一人あたりを二側面から同時に見ることで、各国に対する理解の解像度がより高まるようになる。
出典:内閣府
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