物価は変わらず、個人消費の鈍化
2024年5月31日、米国PCEコアデフレータが発表された。
- PCEコアデフレータ(Personal Consumption Expenditure Core Deflater)
FRB(米国の中央銀行)に金融政策に影響する指標だけに、大きな注目が集まっていたが、大きな増減は無し。今日の結果では、現在の金利・株式・為替のシナリオに変化は無さそう。
- 4月PCEコアデフレータ(前年比) +2.8%(予想 +2.8%、前回 +2.8%)
個人的な懸念点は、個人所得・個人消費の鈍化。まだプラス成長ではあるが、伸び幅が減少。市場予想も下回る結果。
- 4月個人所得(前月比) +0.3%(予想 +0.4%、前回 +0.5%)
- 4月個人支出(前月比) +0.2%(予想 +0.3%、前回 +0.8%)
賃金上昇率が物価上昇率を下回る
もう少し詳しく見ていくと、米国も日本と同様に『物価は上がるのに、賃金の伸びが足りない』という状況と似てきた。もっとも米国は、賃金・物価の高水準な上昇を経た結果だが…。
これは家賃の延滞率の増加し、マクドナルドでも低価格セットを選択する消費者が増えてきていることとも辻褄があう。あのアメリカ人が消費を止め始めているのかもしれない。
2024年4月 米国の個人所得・個人支出・物価上昇率の詳細
出典:アメリカ合衆国経済分析局(BEA:Bureau of Economic Analysis)
今の相場を動かす結果にはならなかった。
しかし今後の米国の消費動向・景況感を見ていくことが、今後の物価動向ひいてはFRBの金融政策、その後の金利・株式・為替の動向予想につながると思う。
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